注1)農水省の定義では「家畜を快適な環境下で飼養すること」を「アニマルウェルフェア」と呼んでいます。家畜をていねいに扱い良質な飼料や水を与えて、ストレスや疾病を減らすという考え方です。家畜へのストレスや疾病などを減らし、家畜の健康によりもたらされる安心安全な畜産物生産とその飼養管理方法です。
注2)成長ホルモン剤には家畜の成長を早める効果があり、家畜が早く成長すれば、それだけ早く出荷でき、餌代の節約にもなります。しかし、成長ホルモン剤の成分が残留した食肉等を人が摂取すると、子どもの成長に異常が生じたり、がんを発症したりする可能性が以前から指摘されています。
抗生物質も、人への影響が懸念されています。家畜に抗生物質を使うのは、病気を治療するためだけではなく、病気の予防や、成長ホルモン剤同様、成長促進の目的があります。抗生物質の最大の問題は、過剰に投与すると、その抗生物質に耐性を備えた耐性菌が体内に生まれ、同じ抗生物質が二度と効かなくなること。耐性菌に汚染された食肉を人が食べたり触れたりすると、家畜の耐性菌が人に感染し、その人が病気になった時に抗生物質が効かない可能性が出てきます。そうなると、治療が不可能になり、軽い病気でも死亡する可能性が高まります。
抗生物質の人への影響を危惧したEUは、2006年、成長促進を目的とした家畜への抗生物質の使用を禁止しています。日本でも成長促進を目的とした抗生物質の使用は、飼料安全法に基づいて一定の規制をかけているが、使用そのものは禁止していません。


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